資産の無償譲渡による収益の額
法人が資産を無償で譲渡した場合であっても、その資産の時価相当額が収益の額に含まれます(
法法22A)。単なる資産の贈与を行っただけであり、何も収益が発生していないと考えやすいですが、法人税法ではその資産をその時における価額(時価)で売り、その受け取った金銭を直ちに相手方に渡したのと同じとみて、時価相当額を収益として益金の額に算入することとしています。
無償譲渡
法人が無償で資産を譲渡した場合には、企業会計では現実には金銭等の授受がないので、これを収益とはしません。しかし、法人税法では、法人が他の者と取引を行う場合には、すべての資産は、時価によって取引されたものとみなして課税所得を計算するのが原則的な取扱いとなっています。したがって、法人の所有資産を第三者に無償又は低廉な価額で譲渡しても、その譲渡によって収入すべき金額は、その法人の収益として益金の額に算入すると同時に、その金額を相手方に対して贈与したものとされ、それによって生じた損失は原則として
寄附金となります(時価と売買価格の差額が、寄付金になります)。この場合、その相手方が法人の役員又は使用人の場合はその者に対する給与となります(
法法37FG、
34、
36、
法基通9-2-9、10)。
設例
【設例】
法人が所有している土地(帳簿価額500万円、時価5,000万円)を、例えば(1)無償(0円)で譲渡した場合、(2)低廉な価額(2,000万円)で譲渡した場合、税務上の仕訳はどのようになるか。
【答】
(1)税務上の仕訳(無償譲渡)
○譲渡法人
(土地譲渡原価) 500万円 (土地)500万円
(寄附金) 5,000万円 (土地譲渡収益) 5,000万円
○譲受法人
(土地) 5,000万円 (受贈益)5,000万円
(2)税務上の仕訳(低廉譲渡)
○譲渡法人
(土地譲渡原価) 500万円 (土地)500万円
(現金) 2,000万円 (土地譲渡収益) 5,000万円
(寄附金) 3,000万円
○譲受法人
(土地) 5,000万円 (現金) 2,000万円
(受贈益)3,000万円