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使用人兼務役員

 使用人兼務役員とは、役員のうち部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する人をいいます(法法34D)。
 中小企業では、役員が使用人としての職務を兼ねることはよくあります。具体的には、「取締役営業部長」、「取締役経理部長」や「取締役工場長」などといった肩書を持っている人のことで、税務上使用人兼務役員といいます。税務上、使用人に比べると役員の報酬・賞与や退職金の取扱いは大きく異なります。なぜなら、特に中小企業の場合、役員は経営の実権を握りますから自分の好きなように報酬などを決定しやすいからです。そこで、課税を公正に行なうために、役員の報酬などについては規制が設けられているのです。
 ただし、使用人兼務役員については、その使用人としての職務が存在するため、役員とは区別して課税上有利な取扱いが設けられています。例えば、使用人兼務役員に対して支給する賞与のうち使用人としての職務に対応する部分の金額は、原則として各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されます。
 

使用人兼務が認められない役員

 次のような役員は、使用人兼務役員とはなれません(法令71)。
1 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人
2 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
3 合名会社、合資会社及び合同会社の業務執行社員
4 取締役(委員会設置会社の取締役に限ります。)、会計参与及び監査役並びに監事
5 同族会社の役員のうち、一定の要件(下記)をすべて満たす人
 
 つまり、上記以外の役員で、部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事している人が、使用人兼務役員になれるということになります。
 

一定の要件とは

 同族会社の役員のうち、一定の要件をすべて満たす人は、使用人兼務役員とはなれません。一定の要件とは下記の(イ)(ロ)(ハ)となります。同族会社の使用人におけるみなし役員規定と違い、法人の経営に従事しているかどうかは関係ないので間違いないように。
 
 (イ)その役員が次のいずれかの株主グループに属していること。
 @その会社の株主グループをその所有割合の大きいものから順に並べた場合に、所有割合50%超の第1順位の株主グループ
 A第1順位と第2順位の株主グループの所有割合を合計したときに50%超となる場合のこれらの株主グループ
 B第1順位から第3順位の株主グループの所有割合を合計したときに50%超となる場合のこれらの株主グループ
 
 (ロ)その役員の属する株主グループの所有割合が10%を超えていること。
 
 (ハ)「その役員」(配偶者及び所有割合50%超の関係会社を含む。)の所有割合の合計が5%を超えていること。
 

 

株主グループとは

 株主グループとは、その会社の一人の株主等およびその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいいます。
 

所有割合とは

 所有割合とは、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に掲げる割合をいいます。
 
(1)その会社がその株主等の有する株式又は出資の数又は金額による判定により同族会社に該当する場合
 その株主グループの有する株式の数又は出資の金額の合計額がその会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除きます。)の総数又は総額のうちに占める割合
 
(2)その会社が議決権による判定により同族会社に該当することとなる場合
 その株主グループの有する議決権の数がその会社の議決権の総数(その議決権を行使することができない株主等が有するその議決権を除きます。)のうちに占める割合
 
(3)その会社が社員又は業務執行社員の数による判定により同族会社に該当する場合
 その株主グループに属する社員又は業務執行社員の数がその会社の社員又は業務執行社員の総数のうちに占める割合
 
 
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