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過大な役員退職金の損金不算入

 役員の退職金とは、役員の退職の事実により支払われる一切の給与をいいます。取締役、監査役などの役員に支給される役員退職金も会社法で規定される役員の報酬等に含まれますので株主総会の決議でその支給額を決議する必要があります(会法361387など)。しかし、その支給額については特段の制限はありません。
 一方、法人税法では、退職金のうち、当該役員の業務に従事した期間や退職の事情、同業種同規模法人の役員退職金の支給状況等に照らし、不相当に高額な場合には、その高額であると認められる部分の額は損金の額に算入されません(法法34A法令70二)。
 

不相当に高額

 役員退職金が、不相当に高額な場合には、その高額であると認められる部分の額は損金の額に算入されません。役員退職金がいくらが相当であるかは、その役員の功績、退職の事情、役員の業務に従事した年数、会社の経営状況、同種・類似規模の法人の役員退職給与の支給の状況等を総合的に勘案して決定することになります。しかし、そうはいっても、これらの基準によって役員退職金の額を算定することは非常に難しいものがあります。実際、過去、裁判で争われたことも1度や2度ではないです。
 そのため、実務上は、退職役員の最終報酬月額に、在任年数、功績倍率を乗じて退職金の支給額を算定する功績倍率法が一般的に行われています。つまり、
 
役員退職金=退職役員の最終報酬月額×在任年数×功績倍率
 
となります。なお、上記の算式のうち「最終報酬月額」と「在任年数」は簡単にわかるでしょう。問題は、功績倍率となります。
 

功績倍率

 功績倍率が何倍が妥当かにつきましては、同種の事業を営む法人(複数社)でその事業規模が類似するものの役員に対する退職金の支給状況に照らして算定することになると考えられます。つまり、業種や売上高等の規模が類似するとされる法人を複数社選定し、各社の退職した役員の「退職金÷(最終報酬月額×勤続年数)」で功績倍率を求めるということになります。
 ただし、そうはいっても、よくわからないことが多く、実務上は功績倍率として社長3.0、専務2.4、常務2.2、平取締役1.8、監査役1.6が無難だといわれています。
 
 
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