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新設法人の届出書類

 会社など法人を設立した後は、一定期間に税務署、税務事務所や市町村役場などへ、開業の届出をしなければなりません。以下のことを参考にして必要書類を手元に揃えて置くようにしてください。提出期限までに出さないと、損をする書類があります。
 

届出先

 ●税務署
 法人設立後、本店所在地を管轄する税務署に対して下記のような書類を提出しなければなりません。提出する用紙はすべて無料で、税務署で手に入れることができますから、届出に先立って予め用意しておきましょう。作成する書類は、税務署提出分と法人控え分の2部を作成しましょう。作成された2部を税務署に持参し、法人控え分には受領印を押してもらい、返してもらいます。直接、税務署へ持参しなくても、郵送でも可能です。ただしその場合、切手を貼った返信用の封筒も忘れずに同封してください。なお、提出期限は書類によって異なりますので注意をしてください。
 
 ●税務事務所や市町村役場など
 法人が納めるべき税金には、法人税、源泉所得税、印紙税などがあり、これらについては税務署が管轄をしています。いわゆる国税といいます。しかし法人は、この他にも、地方税(法人住民税、法人事業税など)も納付しなければなりません。そして、これらの地方税は、都道府県庁や市町村の役場が管轄することになるため、法人の設立の際は「事業開始等申告書(法人設立届出書)」を都道府県税事務所・市町村役場へ届け出なければなりません。なお、法人設立届出書を都道府県税事務所と市町村役場の2カ所に提出しますが、東京23区は都税事務所のみに提出すればよいことになっています。
 

法人設立届出書

 法人設立届出書とは、設立した法人の基本的な内容を税務署に知らせ、管轄する税務署が、その会社の概要を把握するためのものです。設立の日以後2か月以内に「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません(法法148)。なお、この法人設立届出書には必ず法人の登記簿謄本と定款等のコピーを添付書類として、提出します(法規63)。なお、発起設立では、定款に発起人の氏名・住所が記載されていますので、「株主等の名簿の写し」を提出しなくても一般的には問題ありません。また、「設立趣意書」や「設立時の貸借対照表」も添付することになっていますが、税務署にそこまで要求されることは、実務上稀です。
 

給与支払事務所等の開設届出書

 法人を設立すると、個人事業主とは異なり、法人の経営者であっても必ず法人から給料の支払いを受けるという形になります。ですから、設立した法人は、その時点で自動的に給与を支払う事務所ということになります。給与が発生すると、法人は給与の支払いを受ける人から所得税を強制的に天引きし(これを「源泉徴収」といいます)、その源泉徴収した分の所得税をいったん会社が預かって、後日税務署等へ納付することになります。
 

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書

 従業員等から預かった源泉所得税は、原則として給与を支払った月の翌月の10日に税務署に納付しなければなりません。とはいっても、毎月給与から所得税分を源泉して税務署に納めるのは非常に手間のかかることです。ですから、給与の支払いを受ける従業員が常時10人未満の小規模な会社については、本来であれば毎月しなければならない納税を年2回にまとめてできるという特例があります。この書類を提出すれば、1月から6月までの源泉所得税は7月10日までに、7月から12月までの分は翌年の1月10(20日)までに納付すればよい、ということになります。
 

青色申告の承認申請書

 法人の申告制度には、「青色申告制度」と「白色申告制度」があります。青色申告制度とは、法人税を申告する際に、会社の取引すべてを複式簿記によって作成した会計帳簿で申告させる制度です。また、帳簿、領収書や請求書を保存する義務があります。これによって、税務署は不正確でいい加減な経理や税の申告を防止することができるというメリットの代わりに、申告者側には税務上の特典を与えましょうという制度です。税務上の特典には、繰越欠損金の損金算入(詳しくは、こちらのページまで)、特別償却や税額控除などが受けられることになっています。ただし、青色申告制度は義務ではなく、あくまでも任意で選択した会社についてだけ適用される制度です。そのため、税務署に対して申請書を提出しないと、その会社は自動的に白色申告の会社という扱いになってしまいますから注意してください。設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までです(法法122)。
 

棚卸資産の評価方法の届出書

 棚卸資産(自分の法人で製造した製品、他社から仕入れた商品、原材料等)の評価方法には、個別法、先入先出法、後入先出法、総平均法など、いくつかの方法があります。原則として会社ごとに自由に選択してよいことになっています(法令29)が、この棚卸資産の評価方法を届出ないと、自動的に最終仕入原価法が適用されてしまいますので注意してください。
 

減価償却資産の償却方法の届出書

 減価償却資産の償却方法には、定率法や定額法などがあります(法令51)。この書類を提出しないと、有形減価償却資産の場合、自動的に定率法が適用されます。なお、建物の償却方法は強制的に定額法となります。
 

法人を設立した際の届出書類の一覧表

 
届出書類 内容 提出期限
法人設立届出書 添付書類
●定款等の写し
●登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
設立の日以後2カ月以内
青色申告の承認申請書 届け出ないと青色申告者になれません。 設立の日以後3カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうち、いずれ か早い日の前日まで
(注)設立1期目が3カ月未満の場合の翌事業年度については特例があります。
給与支払事務所等の開設届出書
支払事務所等を開設した日から1か月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 届け出をし、承認を受ければ年2回(1/20と7/10)にまとめて源泉所得税を納付する特例の適用が受けられます。
ただし、給与等の支給人員が常時10人未満である必要があります。
随時
減価償却資産の償却方法の届出書 届け出ない場合、法定評価方法になります。 設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限まで
棚卸資産の評価方法の届出書 届け出ない場合、法定評価方法にななります。 設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限まで

 その他、都道府県税事務所、社会保険事務所、労働基準監督署等にも届出書等が必要となります
 
 
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